浸種
- 2021年04月06日[ブログ]
2021年産の米作りに向けた作業は、種もみの温湯消毒から始まります。60℃のお湯に10分間浸けてから、冷水に浸けて10日間静置します。積算温度100度が目安になりますが、年によって多少異なります。眠りの深い年は長めの時間をかけますが、今年はそんな年のようです。ゆっくりと水に浸けて種が目を覚ますようにします。理論的には酵素のカギを解く操作になります。
理屈はわからなくても昔からやってきたことです。現代の科学は「なぜそうするのか」という解明をつぎつぎにしてくれましたが、まだまだわからないことはたくさんあります。農作業は機械化され、肉体労働の負荷は減りましたが、自然相手である以上、常に予期せぬことが起こります。
根知谷の積雪は日陰を残してきれいに消えて、田んぼも畑もそろそろ雑草が生え始めています。軒端の雑木を切り刻み、草刈りや畑打ちも始まります。今度の日曜日には村人足で「江さらげ」があります。村の中を流れる農業用水路、生活用水路の掃除です。村人総出の春の行事ですが、田んぼに水を入れる前に必ずやらなければならない共同作業です。
桜の花も満開となり、山の新緑は日に日にその色を濃くしていきます。長い冬が終わり、待ちに待った春です。蔵内の作業も大方終わり、さてこれからは田んぼに通う生活が始まります。20210406YW