みんな遊んでいるのに
飛び石ですがゴールデンウイーク。弊社では5月10日からの田植えに向けた作業が進んでいます。天候次第ですが、順調にいけば5月25日までには田植えが終わります。今は荒代(あらじろ)をかきながら、畦畔・農道際の草刈りをしています。
私は農家の生まれ育ちで、もの心ついた頃から田んぼにおりました。小学校に入ってからは働き手として農作業に駆り出され、それが当たり前と思いきや、成長するにつれて周りの状況が見えてきます。ゴールデンウイークは学校が休みなので、町場の子どもたちは自由に遊んでいるんですね。
「みんな遊んでいるのに、なんで俺たち(兄姉含めて)働くの。」親は無言で仕事に追われる農繁期に、子供でも家族全員でやるのは当たり前のこと。さして不満を言うでもなく、何となく過ごした幼少期でしたが、大学進学から東京での社会人生活を経験すると、農村生活との違いが痛いほどわかります。
農業は、親も継がせたくない、子供も継ぎたくない、当たり前でしょ、会社勤めなら土日祝祭日カレンダー通りに休めるし、朝8時から夕方5時まで職場にいればいいんだから。給料は毎月振り込まれるし、社会保障も手厚い。バカらしくて百姓なんてやる人間がいなくなるのは当然です。
「令和の米騒動」に関連して、いま日本の農業が絶望的な危機に瀕していることがわかり始めました。食料が不足すれば輸入すればいいと思うでしょうが、もったいない話です。耕す農地があるのに、耕す人がいないんですから。
ゴールデンウイークも関係なく農作業をしてくれる社員・家族に感謝しながら、今日も田んぼに向かいます。2025.04.30YW