2024年問題
- 2024年05月07日[未分類]
今年の4月から特定業種の労働時間に制限が設けられました。弊社が直接的に影響を受けたのは、発送運賃の値上げです。運輸業界の残業規制で人件費が増加し、これまでの燃料費高騰もあって、この際値上げはやむを得ない状況との判断で、運送会社が値上げに踏み切りました。
本題は、監督官庁がどこを見てこういうことをしたのか、ということです。法律で規制すれば、民間事業者は従わざるを得ません。ある面においてはいい方向へ改善されるでしょう。しかし、大きく見落としている視点があります。
私は農家として米作り・野菜作りを生業としています。農業生産法人の代表でもありますが、そもそも自然相手、生き物相手の仕事には「労働時間」の概念は通用しません。種をまき、生育管理をし、無事に収穫するまで、人間の都合で休むことはできません。
人間は食料が無ければ生きていけませんが、それはスーパーマーケットやコンビニに行けばいつでもあると思い込んでいる人たちが多いように思います。今日食べる物すら自宅にストックしていない人たちは結構いるでしょう。非常に危険なことですが気付いていない。
食料を生産する農業者・畜産業者、捕獲や養殖する漁業者、2024年問題など全く当てはまらない労働者は現実にたくさんいます。タイムカードで労務管理ができる世界ではありません。こんな法律は我々には何の意味もないので、最初から対象外ですが、食料を生産している人たちを減らしていくのが官僚と政治家のやっていることです。この後の展開が見ものです。2024.05.07YW