根知谷の日々 -Blog-

種まきから

 酒造りの教科書は精米から始まります。「酒造講本」が私たちの基本ですが、米作りについては何も触れていません。せいぜい品種の分類程度の記述です。酒造りを「技術」で造り上げるというスタンスです。工業製品的なアプローチ。

 原料米の性質は、経験知によって認識されていますが、毎年その品質にはバラつきがありますので、酒造りの現場では試験研ぎや試験醸造でいち早くその年の米の性質を見抜こうとします。買い入れた米の栽培履歴をトレースすることが難しいので仕方ありません。

 私たちは種まきから始めて、苗をつくり田植えをしてから生育管理を経て、秋に収穫します。等級検査を受けて、品質評価を確定し、精米の工程へ移り醸造しますので、すべての履歴を自社で管理して、予測したり検証したりしています。自然相手ですから、毎年いろんなことが起きますが、それはそれでとても面白いと思っています。2020.11.28YW