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元旦の能登地震

 2024年は震度5強の大きく長い揺れで始まりました。午後4時10分頃ですが、自宅1階の居間で夕食の準備を始めようとしていたところに、激しい揺れで食器棚から陶器やガラス食器がたくさん落ちて散乱しました。

 すぐに長男と長女の夫が酒蔵の見回りに行き、私は全体の状況把握に努めました。酒蔵の建物は土蔵の土壁が数か所で崩れ落ち、壁には多数の亀裂が入りました。空の貯蔵タンクがずれて傾き、ボイラーは10㎝横にずれましたが、幸い製品や資材・空瓶はほとんど無傷で、助かりました。

 電源は大丈夫だったので、製造中のもろみや酒母は無事で、2日からの応急処置と掃除・洗浄でなんとか5日から酒造りを再開しました。石川県内の酒蔵さんの被災状況からすれば軽微なものですが、地震の怖さが身に沁みます。

 心強かったのは、私たち老夫婦だけでなく、長男夫婦と長女の夫婦が同居していてくれることでした。若い人は動きが早い、力が強い、持久力がある。現場の状況をいち早く掴み、いかに早く手を打つか、組織力がものをいいます。

 社員の皆さんには2日から出勤をお願いしました。非常事態なので仕方ありませんでしたが、正月休みどころではなかったので、みんなよく協力してくれました。お陰様で酒造りは計画通り進んでいますが、酒造期が終わりましたら、応急処置したところの修繕に掛かります。

 またいつ地震が起こるかわかりませんので、防災意識を高めて構内の整理と整備を進めて、資材関係も備蓄に努めます。今の時代は、便利さを追求し過ぎて、気が付けば「その日暮らし」で「自給力ゼロ」になりました。これからは少しでも自給できる要素を増やすようにします。

 多くの皆さんからご心配を頂きました。またお見舞いのお言葉を頂き恐縮しております。誠にありがとうございます。小さな酒蔵ですが、社員・家族力を合わせて酒蔵、そして根知谷の田んぼを守っていきますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。2024.02.03YW