岩波書店ブックレット№745
- 2020年11月16日[ブログ]
2008年12月に共著で「いま、日本の米に何が起きているのか」を上梓しました。私が書いたのはわずか8ページですが、日本酒業界の変遷を俯瞰し、工業製品としての限界を記しました。当時は偽装米事件で世の中の信頼が揺らいでいて、緊急の企画だったようです。
日本酒の世界に「産地」「品種」「品質」の価値を提唱する内容ですが、現在は「収穫年」ヴィンテージも付け加えて、ワインだけでなく日本酒にもそうした楽しみ方があることを広く知って戴こうと取り組んでいます。
製造技術はもちろん重要ですが、それだけでは語り切れないほどの面白さが日本酒にはあります。「再現性」にとらわれ過ぎてしまうと、自然に対する畏敬の念が薄れてしまいます。原料米に対する理解や、生産農家、産地に関心を持つことで日本酒ワールドは爆発的にふくらみます。2020.11.16YW